忙しさの中でも、ひと息を。
医療現場に“気分のケア”を届ける Be By Tea の可能性
東京都済生会中央病院 × Be By Tea

東京都済生会中央病院(東京都港区)の本多さん(左)、大島さん(右)にお話を伺いました。
救命救急センターとしての役割を担い、高度急性期医療を提供する 東京都済生会中央病院。東京都心に位置し、日々多くの患者が訪れる医療現場では、職員一人ひとりに大きな責任と集中力が求められます。
病床数は505床、職員数は約1,300名。母体となる済生会は全国404施設を展開し、日本最大級の社会福祉法人として知られています。そんな大規模組織の中で、職員のコンディションをどう支えるかは、以前から重要なテーマでした。
今回、東京都済生会中央病院では、職員向けの新しい福利厚生として Be By Tea の実証実験を実施。AIと対話しながら、その日の気分に合わせたハーブティーを提案する仕組みが、医療現場にどのような変化をもたらしたのか。導入を担当された 本多さん(事務次長代理)、そして 大島さん(企画課主任)にお話を伺いました。
「AIでブレンドする」新しい体験への直感的な興味
本多さんがBe By Teaを知ったきっかけは、三田・田町地域での交流イベントでした。導入を検討する段階で、最も印象に残ったのは「AIが気分に合わせてブレンドする」という体験そのものだったと言います。
-- 本多さん
「AIでブレンドするというのが、すごく面白いなと思ったんです。直感的に“これは興味を持ってもらえそうだな”と感じました。」
医療現場は、業務が忙しいだけでなく、精神的な負担も大きい職場です。だからこそ「ただの飲み物」ではなく、気分に寄り添う仕組みとしての価値に期待が集まりました。
導入前にあった課題──医療現場のプレッシャーとコミュニケーションの減少
東京都済生会中央病院の職員が日々直面しているのは、医療従事者ならではの責任と緊張感です。
-- 本多さん
「医療という現場なので、患者さんの命を預かる仕事です。業務のプレッシャーや精神的負担はやっぱり大きい。そこは常に気になるところでした。」
さらに、大島さんは職場環境の特徴として「女性職員が多いこと」も挙げます。
-- 大島さん
「女性が多い職場なので、体のケアや日常的なコンディションの部分は、もともと意識されやすいと思います。」
こうした背景がある一方で、既存の福利厚生施策には限界もありました。以前は職員旅行や食事会、ボウリング大会、抽選での観劇イベントなど、交流を促す企画も多く実施されていたそうです。しかし新型コロナウイルス感染症の流行を境に、院内の交流施策は縮小し、コミュニケーションの頻度が下がっていったと言います。
-- 本多さん
「新型コロナウイルス感染症の影響もあって、院内の交流企画が少なくなってきたんです。コミュニケーションを取る機会が減っているのは気になっていました。」
福利厚生は“あれば良い”だけではなく、実際に職員が価値を感じ、利用が定着しなければ意味がありません。導入担当者にとっては「何を選べば多くの人に届くのか」という選定自体が難しい課題でした。
設置直後の反応──「ワクワク感」は確かにあった
今回の実証実験では、Be By Teaのセットを異なる4部署に設置し、部門ごとの違いを比較できる形で導入が進められました。設置当初、職員の反応は好意的だったといいます。
-- 本多さん
「AIでその日の気分に合わせてブレンドしてくれる、というところに興味を持ってくれた印象があります。」
周知については、職種別の定例会議の場で説明をして、希望部署の手挙げ方式で導入先を決定しました。職員の半数ほどを占める看護師部門への周知は、特に重要なポイントでした。
-- 大島さん
「会議の場で説明させてもらって、部署のコミュニケーション活性化やリラックス効果が期待できる、という話をしました。そこから希望する部門を募る形でしたね。」

設置のタイミングに合わせて、職員の皆さんに試飲会を実施。使い方やハーブティーの魅力をご紹介。
利用状況から見えたリアル──「使いたいけれど、時間がない」
Be By Teaを設置後、実際の利用状況を見ると、医療現場ならではの特徴がはっきりと現れました。
-- 大島さん
「業務の途中ではなく、まとまった時間があるときに使われていました。始業前、お昼休み、終業後という傾向がレポートでも見えましたね。」
つまり、業務の忙しい合間に立ち寄って「気持ちのリセット」に使うというよりは、「休憩のタイミングが確保できた時に利用する」という形が中心になっていました。
さらに導入から1ヶ月目と2ヶ月目を比較すると、利用頻度には大きな差がありました。最初は“新しさ”で利用が進むものの、次第に継続利用が減少する傾向が見えたのです。
-- 大島さん
「1ヶ月目は目新しさがあったと思います。でも2ヶ月目になると、継続性という意味では、やっぱりハーブティーを飲むまでの工程が多いのが気になりました。スマホでQRコードを読み込んで、AIと会話して、スプーンで茶葉を入れて、お湯を入れる。そこまでなかなか行き着かないんだなと感じました。
利用状況を観察していると、医療現場は“さっと飲めるもの”が求められているんだなと感じました。AIとの会話も良さはあるんですが、手軽さを求めている部分が強いですね。」
部門ごとの差が浮き彫りに──「デスクワーク」と「現場業務」の違い
今回の実証実験の大きなテーマは、部門による利用の違いでした。職種や働き方の違いが、利用頻度に直結したと言えます。
-- 本多さん
「デスクにいて仕事する人と、看護師さんのように現場で走り回っている人では、使い方が違うというのが知れたのは大きかったです。」
事務部門などでは、午後の休憩(いわゆる3時休憩)のようなタイミングで利用される可能性も見えました。一方で、忙しい部署では習慣的な利用が途切れやすい傾向がありました。
また、意外と大きな影響を与えたのが「消耗品」の存在です。
-- 大島さん
「紙コップ、お茶の袋がなくなると、利用者が減るという課題もありました。特に医師、看護師の人たちの入れ替わりが激しい部署は消耗品の消費が激しくて、ストックが無くなると途端に利用が止まる印象でした。」

休憩室に設置された Be By Tea。始業前や昼休み、終業後など、まとまった時間が取れるタイミングで利用される傾向が見られた。
職員の声──「味は好評」「甘さが欲しい」「もっと自動化したい」
現場からのフィードバックとして印象的だったのは、味や香りへの評価が高かったことです。
-- 大島さん
「味に関しては、みんな好評だったと思います。」
その一方で、職員の声として多く上がったのは「甘さを足したい」という要望でした。蜂蜜などを入れたいという意見が多く、医療現場で働く人たちが“癒し”として甘さを求めている傾向が見えたと言います。
-- 大島さん
「蜂蜜を入れたいっていう声が結構ありました。甘さを求めている人が多いのかなというのは印象的でしたね。」
さらに「もっと自動でできるようにしてほしい」という声もあり、手間の削減が継続利用の鍵になることが浮かび上がりました。

別の部署では、バックヤードに設置されたBe By Tea。給湯室の隣にあり、ちょっとした息抜きでも利用されている。
AI体験の価値──「ワクワク感」はあるが、自由度が欲しい
AIとの対話体験については、全体として「面白い」「ワクワクする」という感覚が共有されていた一方で、改善点も見えました。
-- 本多さん
「何が出てくるんだろう、というワクワク感はあったと思います。みんなでやってみよう、という場面も見られました。」
ただ、複数回利用する人が増えるにつれて「提案が似てくる」という印象も出てきたそうです。
-- 大島さん
「結果が似た感じになってしまう印象はありましたね。それ以外だと、“この茶葉を飲みたい”という声もあったので、もう少し茶葉を選べる自由さがあると良いのかなと思います。」
レポートがもたらした発見──「見える化」から次の一歩へ
今回の実証実験では、利用状況を可視化するレポート機能も提供されました。導入側としては、これが非常に興味深い材料になったと言います。
-- 本多さん
「利用状況が分かるので、それ自体は良いレポートだと思いました。」
さらに、今後の改善としては「時間帯×キーワード」「曜日×キーワード」など、クロス集計のような形で傾向が見えると、より価値が高まると語られました。
-- 本多さん
「例えば夕方になると疲れてくるのかな、とか。キーワードと時間帯や曜日を掛け合わせて見れると面白いと思いました。」
一方で、現状のレポートは「見た後にどう行動すればいいかが分からない」という課題も残ります。
-- 大島さん
「このデータを見た後に、じゃあどうすればいいのか、というアイディアの提案があると、さらに良いかもしれません。」

利用状況やキーワードの傾向を可視化するレポート機能。現場の「忙しさの波」やコンディションの変化を捉えるヒントになった。
今後への期待──福利厚生だけでなく“対話のきっかけ”として
今回の実証実験を通じて、Be By Teaの価値は「日々の変化を追える」「置いておけばアクセスできる」という点にあると評価されました。
-- 本多さん
「利用者の日々の変化を追えるというところに価値があると思います。勤務形態がバラバラでも、設置しておくだけでスマホさえあれば誰もがアクセスできるのは良いですね。」
また、病院という職場との相性については、看護師や女性の比率の高さがポイントとして挙げられました。
-- 大島さん
「病院は看護師や女性が多い職場なので、ハーブティーは取り入れやすいと思います。」
そして最も印象的だったのは、Be By Teaが単なる給茶器ではなく「会話のきっかけ」になり得るという視点でした。
-- 本多さん
「面談やヒアリングの場の冒頭で、AIと会話しながらハーブティーのブレンドを作り、一緒に飲みながら始める。そういう場面だと、参加者同士の会話のきっかけになると思いました。」
職員同士、上司と部下、部署を超えたコミュニケーション。その“最初の一言”を自然に生み出す仕掛けとして、Be By Teaが活用できる可能性が見えてきました。
他病院へのメッセージ──「場面を設定して導入すると、もっと活きる」
最後に、他病院への導入を考える場合のポイントとして語られたのは「使い方を設計すること」でした。
-- 本多さん
「コミュニケーションのきっかけとして取り入れると、もっと活きると思います。部署横断の場や面談など、場面を設定して使うと良いかもしれません。」
ただ置くだけで終わらせるのではなく、“どう使うか”を病院側と一緒に作っていく。そこにBe By Teaの可能性があることが、今回の導入を通じて感じることができました。
まとめ──医療現場に“ひと息”を届ける仕組みへ
忙しさの中で働く医療従事者にとって、休憩は「時間」ではなく「余白」です。
その余白を少しでも心地よいものにし、職場の空気を整えるための仕組みとして、Be By Tea は確かな手応えを残しました。
今後は、より“さっと飲める”導線づくりや、レポートの示唆から具体的なアクションへつなげる提案設計が進めば、病院という特殊な現場においても、Be By Tea はさらに価値を発揮していくはずです。
また、キーワード×時間帯、曜日×気分といったデータの深掘りが進めば、現場の忙しさや疲労感の波を捉え、管理職や経営層が職場改善を検討する際の新しい指標にもなり得ます。
「飲む」だけで終わらず、日々の声を拾い、職場の空気を整えるための仕組みへ。Be By Tea の進化に期待が高まります。
取材をさせていただいた病院

東京都済生会中央病院
東京都港区三田にある 東京都済生会中央病院 は、一般病床505床を有する総合病院です。内科・外科をはじめ、36の診療科を備え、救急医療やがん診療、専門センターも展開しています。国際患者対応の認証を取得し、地域の中核として幅広い医療サービスを提供しています。
東京都港区三田1-4-17